瀋陽は遼寧省の省都であり、東北地域の経済・文化・交通・商取引の中心です。また、中国の工業の要衝であり、歴史と文化の街でもあります。瀋陽は現在9区3県を管轄しており、総面積13,000キロ平方メートル、都心部面積3,495キロ平方メートルです、総人口720万、都心部人口485万人です。
瀋陽は中国東北地域の南部、遼寧省の中部にあります。平原が主で、山地や丘陵は南東部に集中しています。遼河、渾河、秀水河などが市を通っています。温帯半湿潤大陸性気候に属し、年間気温は-29〜36℃の間で、平均気温は8.3℃です。年間降水量は500立法ミリで、無霜期は年183日です。季節風の影響を受け、降水が集中し、温度差が大きく、四季がはっきりしています。
瀋陽は、歴史と文化の街として広く知られています。かつての瀋水(今の渾河の支流)の北に位置していたため、この名がつきました。瀋陽地域は遼河流域の早期文化を育んだ場所で、中華民族発祥地の一つです。新楽遺跡を考証したところでは、7,200年前の新石器時代にはすでにこの地に人類が生息していたとのことです。紀元前229年に侯城と称するようになってから、瀋陽の都市としての歴史は2,300年近くにわたります。瀋陽は「1つの王朝の発祥地、2代の帝王の街」と称されています。1625年、清の太祖ヌルハチが建てた後金の都をここに移し、盛京と名付けました。さらに1636年、清の太宗ホンタイジが国号を「清」と改め、清朝が誕生しました。1644年に清軍が北京に入り、北京が都に定められた後も、盛京は国都に準ずる扱いを受けました。清朝初期の皇宮である瀋陽故宮は、中国に完全な形で残っている2つの皇宮建築群の1つです。
瀋陽は、国の「第1次5か年計画」の時期に重点的に投資建設が行われた工業基地です。数十年の発展を経て、瀋陽の工業部門は184に増え、市の製造業者数は5,800社余りに達しました。自動車、機械、電子通信、環境保護、製薬産業を主体とする新興産業群がひととおり構築され、しっかりした製造業の基盤ができあがり、総合的で優れた産業支援力が形成されています。また、瀋陽には豊かな資産ストックと規模の優位性があります。現在の資産ストックは1,000億元に達しており、省全体の3分の1を占めています。GDPも全省の4分の1を占めています。とくに改革開放以降、瀋陽は国有企業の戦略的調整と組織改編を加速してきました。従来からある企業とハイテク技術、国際経済との融合も加速させています。アジアの国・地域を主とする資金誘致については、現在多元的な構成に移り変わりつつあります。世界の上位500社や国際的な有名企業の多くも、巨額の投資を瀋陽に行っています。国外との合弁提携を通じ、瀋陽市の建設資金の不足を補い、国外から先進的な技術や管理を導入して市の産業構造調整を加速しています。支柱産業群も絶えず成長しており、骨幹企業と主導製品も強い市場競争力を示しています。
改革開放の20年間、瀋陽では対外に目を向けた牽引戦略を一貫して実施しており、経済と社会は持続的かつ好テンポで発展してきました。全方位、多様なレベル、広い領域の対外開放の新たな枠組みがおおむね形成されています。国民経済は適度な成長を持続し、経済規模がいっそう拡大しています。速報によると、2002年の瀋陽市GDPは1,400.0億元を達成して前年比13.1%の成長となりました。うち、第1次産業は付加価値83.6億元でプラス8.0%、第2次産業は同615.2億元でプラス14.6%、第3次産業は701.2億元でプラス12.5%でした。第1次〜第3次産業の対GDP比はそれぞれ、6.0%、43.9%、50.1%です。財政収入も急速に伸びています。年間地方財政収入105.4億元を達成し、前年比で30.5%成長しました。年間地方財政支出は105.4億元で、24.2%の伸びでした。農業向け支出は5.90億元でプラス15.9%、教育事業向け支出は25.1億元でプラス16.8%でした。
経済のグローバル化が急激に進む今日、中国がWTOに加盟という新たな情勢に直面しています。瀋陽市政府は、今世紀初めに瀋陽を地域の商取引、金融、情報のセンターとするとともに、全国の先進設備製造基地、ハイテク技術産業化基地、農業近代化のモデル基地とすることを確定しました。瀋陽はその優れた地理的位置と豊かな工業の基礎と技術力、整備された市場体系と発達した交通網により、かならず中国で最も魅力的な投資先の一つとなるはずです。
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