「東北工業基地」振興政策
遼寧省及び投資チャンスの概況
 1. 遼寧省の基本状況
 2. 第10次5か年計画の構想と目標
 3. 第10次5か年計画の重点的方向
 4. 双方の協力を推進する方法
遼寧省重点工業プロジェクト
 1. 装置製造業
 2. 冶金工業
 3. 石油化学工業
 4. 自動車工業
 5. 農産品高度加工
 6. 軍事産業
 7. 医薬品工業
 8. 軽工業・繊維工業
 9. 建材工業
 10. 大連市の工業
瀋陽市について
 ●自然概況
 ●都市のインフラ
 ●各種政策
瀋陽が先行〜指導者スピーチ
大連市の投資環境とプロジェクト
撫順市企業誘致プロジェクト
丹東市企業誘致プロジェクト
吉林省企業誘致プロジェクト
黒龍江省企業誘致プロジェクト
北京オリンピック関連投資

中華人民共和国「東北工業基地」振興政策のご案内

21世紀経促会・北京友邦弁護士事務所(2004年2月)
遼寧省及び投資チャンスの概況

1. 遼寧省の基本状況

(1) 自然概況

遼寧省は中国の東北地域の南部に位置しています。鴨緑江を境に朝鮮半島と隣接し、南方には黄海、渤海と隣接しています。長い沿岸地域があるので、東北地域と世界を結ぶ窓口になっています。遼寧省の面積は14.75万平行メートルで、全国土地面積の1.54%を占めています。遼寧省の人口は4,090万人で、全国人口の4%を占めています。遼寧省には、瀋陽、大連、鞍山、撫順、本渓、丹東、錦州、阜新、遼陽、営口、鉄嶺、朝陽、盤錦、葫芦島の14都市があり、瀋陽市は遼寧省の省都です。遼寧省には河川が多く分布しているうえに、海岸線の長さは2,920キロメートル、臨海地域の水域面積は5万平方メートルあり、海洋資源は非常に豊富です。遼寧省は温帯大陸性モンスーン気候に属し、日照時間は長く気候は温暖です。

(2) 基本施設の状況

鉄道輸送

遼寧省では瀋陽を中心にして、幹線鉄道が6線あり、支線が29線あります。瀋陽を中心にして、北の方向にはハルピン、南の方向には大連と繋がり、沈山線は山海関から北京に通じて、全国に繋がっています。鉄道営業キロ数は3,568キロメートルで、建設中の鉄道主線は計4,967キロメートルであり、鉄道の密度、複線キロ数は全国第一位です。

道路輸送

遼寧省には、国家レベルの道路が10、省レベルの道路は26あり、道路の開通キロ数は4.4万キロメートルです。沈大高速道路の長さは375キロメートルであり、工業技術力の高い中部の都である営口と大連の港を結び付けています。瀋陽〜本渓、瀋陽〜鉄嶺、瀋陽〜撫順、瀋陽〜山海関と、瀋陽外周には高速道路が開通しています。全省の高速道路の開通キロ数は1,068キロメートルであり、“十五”末期まで、全省の14都市に高速道路を開通する予測です。

海上輸送

省内の海岸線上には、大連港、営口港、丹東港、錦州港など10か所の港湾があります。港湾のバースは150で、1万トンクラスのバースは42か所あります。港湾の貨物取扱量は1億653万トン余りで、国内の沿海部港湾や世界140余りの国と地域の港湾との通航を行っています。遼寧省は、東北地域で唯一海への出口を持つ省です。

航空輸送

省内には、瀋陽桃仙国際空港や大連周水子国際空港、さらに朝暘、丹東、錦州、鞍山などのローカル空港があります。国内線は114、国際線(香港・マカオを含む)は12路線がすでに就航しています。2つの国際空港からは、東京、大阪、ソウル、イルクーツク、香港、マカオ等への国・地域への直行便が出ています。

パイプライン輸送

省内には10数本の石油(ガス)パイプラインがあり、原油パイプラインは全長1,419キロメートル、年間輸送量は4,000万トンあまりです。

郵便・通信

省内の郷・鎮、行政村では、郵便サービスが100%実現されており、全国上位です。省内の14市、44県、県クラスの市の全てで、オペレーターを介さない自動長距離電話が掛けられます。100人あたりの平均電話回線数は27.2本です。

(3) 経済の概況

遼寧省は中国の重工業基地です。中国の国民経済において重要な地位を占めています。2001年の遼寧省のGDPは5,033億元で、前年比9.0%の成長を実現しました。固定資産投資実額は1,418億元で、前年比11.9%の伸びとなりました。

工業

遼寧は、鉄鋼、機械、石油、化学といった支柱産業を中心とする重工業基地です。全省規模以上の製造業者で3,200億元余りの固定資産ストックを保有しています。2001年、省内の国有、国有持ち株、製品年間売上500万元以上で非国有の製造業者は2,416社あり、工業総生産4,416億元を実現しました。うち国有の中型企業は431社で、工業総生産2,869.3億元を達成しました。
冶金、機械、石油化学工業は、国内で重要な地位を占めています。全国鉄鋼連合企業トップ10のうち遼寧の企業は2社あり、鉄鋼産業の総合力でも全国第2位です。遼寧の冶金鉱山設備、送変電工学装置、金属切削機械、造船、ディーゼルカー等の生産量は、全国でも上位です。全国の大型製油会社についても遼寧省の企業が7社あり、年間の原油加工力は全国の4分の1を占めています。また、基本化学原料、合成素材、染料、塗料、ゴム加工などでも国内で重要な地位を占めています。

農業

2001年遼寧省の農業付加価値は545億元で、食糧生産力は1,600万トン、野菜生産量1,800万トン、果物生産量344万トンに達しました。省内の森林面積は約467万平方メートル以上、森林に覆われている面積の率は33%です。2000年の年間肉類総生産量は236万トン、水産品335万トンでした。

遼寧省の対外経済貿易及び外資利用の状況について

改革開放以降、遼寧省への外資投資はしだいに拡大しており、現在遼寧省は140以上の国・地域と良好な経済貿易関係を構築しています。遼寧省はすでに、外国企業の投資と貿易発展を行う人気の場所となっています。2001年、省の輸出入総額は199.1億ドルに達し、輸出111.1億ドル、輸入88億ドルを達成しました。

1979年から2001年までの期間で、米国、日本、韓国、ドイツ、スウェーデン等50以上の国、香港・台湾等の地域の外国企業が遼寧省に設立した外資(直接投資)、合弁企業、合作企業は累計22,208社に達し、契約ベースでの外資導入額は398.8億ドル、導入実額280億ドルに達しました。また、かなりの規模の2国政府間借款や、国際的な金融組織や海外からの商用融資も利用されました。2001年の外資利用額は35.9億ドルに達しました。

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